はじめての皆さまへ
日頃お使いのコインを財布から取り出してご覧ください。
非常に精巧な文様であることを再認識できると思います。
歴史あるコインも同様で、その国その時代の最高の技術で最高のデザイナーの文様を刻んでいるのです。
その魅力ある世界の一端をご紹介できれば幸いです。
コインの基礎知識
コインの価値
紀元前から世界中で作られてきたコインは無数と言える種類がありますが、その中でも金銭的な価値があるのは、希少性があり人気があるものなどになります。
ここではそれらを説明していきます。
アンティークコインとは
一般的にアンティークというのは製造されて100年以上が経過したものを言います。
コインの世界でも同様でアンティークコインと呼ばれます。
それより新しいものはモダンコインと呼んで区別することがあります。
逆に古代ローマ時代などもっと昔のコインは古代コインとして区別されることもあります。
後述しますNGCによる鑑定も古代コインは分けて管理されています。
地金型コイン(地金コイン)とも呼ばれるメイプルリーフ金貨やウィーン金貨なども経過年数の意味ではモダンコインの区分になりますが、
アンティークコイン/モダンコインと地金型コインは価値の考え方が異なりますのでご注意ください。
地金型コイン価格は金や銀の相場に連動しますが、特にアンティークコインはそれ以外の要素が価値を決めます。
価値を決めるポイント
ここでの価値は、歴史的価値ではなく金銭的価値のことです。
●希少性
発行枚数、現存数の少なさのことです。
国が回収して溶解した記録のある金貨の例もありますし、火事などで溶けることもありますので、
古いほど "発行枚数>現存数" になります。
数が少ないほど入手が困難になるので価値が高くなります。
同じデザインでも発行年によって発行枚数が違うことがあり、極端に少ない年(特年)は高値になります。
同じ国、同じデザインでも鋳造場所を示すマークの違いによって希少性が出ることもあります。
同じデザインを複数年発行していても、初年は1年しかないので人気があります。
●保存状態
傷や汚れが少なく未使用に近いほど価値が高くなります。
見た目が綺麗でも、磨いた綺麗さであれば価値が下がります。
●デザイン
人気のある人物(有名人、女王、女神等)のデザインはあります。
また、人気キャラクターなどの場合、コイン収集家以外も欲しがりますので、さらに競争が激しくなります。
都市景観や動物など人気のデザインもあります。
●背景
コインが発行された際の歴史的背景、肖像にある人物のストーリーなども、コレクターが注目します。
誰か有名な人のコレクションだった、という流通の上での背景も価値を上げることがあります。
●素材
コインの素材は金、銀、銅以外にも色々とあります。
他の条件が同一であれば素材の希少性がある金貨の方が高くなるのは当然ですが、
同じ重量の金貨より高い銀貨も他条件次第で普通に存在します。
これらの各要素が関係して金銭的価値が定まります。
素材価値(溶かして素材として販売する際の金額)よりも圧倒的に高いプレミア価格が付くこともあるのがアンティークコインです。
グレード
コインの保存状態を表す基準があります。
シェルドンスケールと呼ばれる、1〜70の数字で評価する方法があります。70が最高評価です。
それ以外にアルファベットで、MS(Mint State:未使用)、AU(Almost Uncirculated:準未使用)、XF(Extra Fine:極美品)、VF(Very Fine:美品)のような評価がされます。
日本では、完全未使用、未使用、準未使用、極美品、美品、並品、劣品などの評価基準を用いることもあります。
プルーフコイン
プルーフ(Proof)コインと呼ばれる、鏡のように磨き上げられた美しい表面の特別な記念硬貨、観賞用硬貨があります。
製造の段階から流通用とは別に作られたもので、グレード表記のアルファベットはPFやPRと略称されます。
同じ70評価でも、MSよりPF(PR)の方が高額になります。
プルーフの金貨や銀貨の商品画像で黒色部分が多いのは、実物が黒色に着色されているのではなく、
その鏡面の状態を分かりやすくするために鏡に黒色を映しているのです。
鑑定会社
上記のようなグレードを鑑定する鑑定機関があります。
一般的なのはNGCとPCGSです。
●NGC
Numismatic Guaranty Company
https://www.ngccoin.com/
●PCGS
PROFESSIONAL COIN GRADING SERVICE
https://www.pcgs.com/
いずれも鑑定したコインは、その鑑定結果と共に透明樹脂のケース(スラブケース)に入れられています※。
開封することはできませんので、改ざんがされていないことを確認することができます。
そこにある鑑定番号は、それぞれ上記のURLで確認することができますので、本物か確認する一手段になります。
※スラブケースに入れられていないコインは裸コインと呼ばれることもあります。
コイン投資
コイン投資とは
例えば古代ローマの2000年の歴史や教科書などに登場する人物の肖像などにロマンを感じる、
都市景観などのデザインに惚れ込む等で収集、コレクションされる方もいらっしゃいます。
また、資産形成のために収集される方もいらっしゃいます。
インフレの時代には貨幣価値が下がりますので、銀行に預けるのではなく現物資産(実物資産)としてアンティークコインを、等です。
もちろん、その両方の方もいらっしゃいます。
ここでは、その資産形成のためのコイン投資について記載します。
投資の種類
投資として考える場合、地金型コインとアンティークコイン(およびモダンコイン、古代コイン)は大きく異なります。
●地金型コイン
地金型コインの代表例として、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストリアのウィーン金貨、アメリカのイーグル金貨などがあります。
これらは収集用というより投資用として発行されています。
素材、例えば金やプラチナの相場の動きに連動して価格が変動しますので、相場の安いときに購入して高いときに売却するものになります。
延べ棒(インゴット)に比べて、鋳造コストなどのプレミア(少し高い価格)が上乗せされており、傷がつくと価値が下がることに注意が必要です。
貴金属店などでも購入できますし、換金性も高いです。
金相場、さらにはプラチナ相場も急上昇しておりますので、注目されている投資方法の一つです。
●アンティークコイン
一方でアンティークコインは、金などの素材価格以外の評価要素が多いため、金相場ほど日々の激しい変動はありません。
しかし年単位で見ると、人気を集めるコインの値上がりは金相場の比ではありません。
ウナとライオン、雲上の女神、ゴシッククラウンなど有名なコインを検索されると驚かれると思います。
全く同じデザインのコインが再び発行されることはありますが、それは元になった昔のコインとは別物になります。
コインは発行された後に溶解されたり紛失したり、はたまた博物館に収納されて市場に出なくなったりしますので、増えることはなく減っていくため希少性・価値は自然と上がるものになります。
アンティークコイン投資は長期保有が基本となります。
また、偽物の心配がありますし、売却もすぐにはできません。
価値のあるコインを見極めるには知識や情報収集が必要になります。
どちらのコイン投資であっても、保有しているだけでは家賃、配当や利子などのようなインカムゲインはありません。逆に、不動産に対する固定資産税のような維持費(ランニングコスト)も発生しません。
購入した時より高く売却して得られる売買差益(キャピタルゲイン)のみが収益源になります。
また、どちらのコイン投資の場合でも海外で売却して外貨を得ることも可能になります。
つまり、日本円が暴落してもドルやユーロで売却すればその為替リスクを回避できます。
万が一の際にポケットに入れて避難することもできるのはどちらのコイン投資でも同じですが、金などの素材価値よりも高額なアンティークコインの場合はさらに持ち運びの軽量化が図れます。
アンティークコイン投資
上述のように、地金型コインに比べて価値、価格が分かりにくいアンティークコインで投資をするにはどうしたら良いでしょうか。
最近は書籍以外にも動画サイトを含めてインターネット上でも様々な情報が入手できますので、詳細はそれらをご確認ください。
ここでは基本的なことを記載します。
●鑑定済みコインを選ぶ
慣れるまでは、上述のNGCかPCGSで鑑定されたスラブケース入りコインを選びましょう。
それだけで偽物を手にする可能性は減ります。
ただ、それでも偽物の可能性はあります。
まず購入前に鑑定部分に記載されている番号を、NGCやPCGSのサイトで投入して確認しましょう。
そこで出てくる画像とは明らかに違う商品が、個人間取引用オークションサイトで出品されていることもあります。
●相場を確認する
そのNGCやPCGSのサイトでは、過去の取引履歴などをもとにした価格情報を提示しているものもあります。
個人間取引用オークションサイトやフリーマーケットアプリでも過去の取引履歴を検索することができますので、ある程度は参考になると思います。
ただ、同じ発行年のコインでもグレードが1つ違うだけで価格が大きく変わることがあります。例えばMS70とMS69では70の方がそれより上がないので人気になります。
アンティークコインで70はまずありませんので、そのコインの最高鑑定が64なのか63なのかなどもNGCなどのサイトで確認することができます。
●保管に注意する
最終的に売却益を得ることを目的にしていますので、保管中に価値を下げないように注意が必要です。
コインは素手で触るとすぐに痛みます。特にプルーフコインは危険です。
その意味でも安心して扱えるスラブケース入りコインはおすすめです。